堀辰雄・ベアハウス・森達郎そして軽井沢

先ごろ入荷の色々をかたずけておりましたら、堀辰雄の『菜穂子』のなかから

浅間山のモノクロの絵はがきが出てきました。そして表をよく見たら

なんと堀辰雄の命名の別荘(ベアハウス)の持ち主が友人にあてたものでありました。差出が昭和16・8・6付で«くまのやどぶみ二のたより»と題して

「風立ちぬ」のこと、「菜穂子」のこと、などを交えながら別荘生活を伝えたものであります。森達郎とはいかなる人か。堀辰雄の周辺にいた人で、加藤周一をして「バット（たばこの）を買うようにあっさり別荘を買ったね。」と言わしめた人であります。

そのあたりは中村真一郎の『火の山の物語　わが回想の軽井沢』に詳しく書かれております。ボクとしては一瞬、自分の店がそのころの軽井沢の空気につつまれような気がして不思議な感じでありました。実際には戦前の信州は知る由もないのに…。

『菜穂子』　堀辰雄　創元社　初版　函付　昭１６　

　関連資料としてご紹介の森達郎の自筆絵はがき（文面ペン書約20行）　　

　　　　書籍・はがき共２点　￥３５，０００

（『菜穂子』は函・表紙、経年による少日焼け古色あります　はがきの受取人の蔵書印有）

★ご紹介の書籍は掲載時点の在庫ですのでご注文の節はあらかじめ

お問い合わせくださいませ。倉庫に在庫いたしております場合がありますので

直ぐにご用意できない時がありますのでよろしくお願いいたします。

また現在私共では文学書をはじめ美術書・趣味書を買い取らせていただいております。ご整理の節はご相談くださいませ。